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展覧会のお知らせ

第30回秀明文化基金賞受賞記念展

谷穹「信楽」


昨年第30回秀明文化基金賞をいただきました

その恒例の受賞記念展です

ご高覧頂けましたら幸いです


会期/2020年11月28日(土)ー12月9日(水) 木曜休み    10:00から17:00まで(最終日16:00まで) 会場/ギャラリー 陶園    滋賀県甲賀市信楽町長野883−1



以下授賞式のスピーチ


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本日は秀明文化基金賞という名誉にあずかりありがとうございます。

この晴れの場にこうして立てる事を光栄に思います。

私の足下には2002年にやきものを始めた時からの多くの失敗の残骸と

その残骸のおかげで切り捨てる事が出来た固執が山のようにあります。

信楽に生まれた私にとって、誰に言われたわけでもなく、

至上命令のごとく古信楽を解明する必要がありました。

そしてそれはきっと私にしか出来ないという根拠のない確信のもと、

長い長い間迷走してまいりました。

私が「信楽」に再び出会ったのは2014年の4月の穴窯でした。

信楽の技術を理解した先には日本の中世の考えや思いが

見えてきて、タイムトリップをしたかのようでした。

「やあ500年ぶりだね」なんて。

「信楽」の特異な感覚をあらためて認識した瞬間でもあります。

その時、古信楽の壺に呼ばれてここに生まれたんだと思いました。

日本のやきものにはとても日本的な大事な感覚が

アップロードされていると感じます。

そしてそれを読み取り受け取る事ができることは本当に恵まれた事です。

それは単に再現を目標とするのではなく、

やきものを進める責任を請け負ったんだと解釈しています。

その後、私の世界の景色は一変するのですが、

理解されない事も多くありました。

そんななか神慈秀明会をはじめ、

秀明文化財団それにミホミュージアムの方々には

いち早く取りあげて頂き、本当に支えられました。

ここにこうして立てているのは皆さまのおかげです。

そしてこの賞にご推薦いただいた方が、

私にとって最も意外な人物だったのですが、

深く理解者であったことを誇りに思います。


私はまだ「信楽」の入り口に立ったに過ぎません。

”幽玄”でも”わび”でもない今この瞬間の言葉を探す必要があります。

この先には長い長い長い道がある事を私は知っています。

信楽のその先にある景色を広げてゆきたいと思います。

本日はありがとうございました。


2019年7月27日

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